「中野住宅」とは

中野住宅は、財団法人東京都住宅協会(現在の東京都住宅供給公社)が建設し、戦後7年目の1952(昭和 27)年7月に入居が始まった集合住宅団地です。東京都住宅協会は、1920(大正9)年に東京府住宅協会として設立され、戦前から戦後にかけて地方からの人口流入や戦災による住宅難に対し木造住宅の供給を行っていましたが、1951(昭和 26)年から地震や火災に強い鉄筋コンクリート造の集合住宅の整備を始めます。
中野住宅は7棟248戸と当時としては大規模な団地でした。また敷地の一角には協会の事務所が置かれ、新しい公社住宅の入居申し込みで長蛇の列ができました。中野住宅の入居が始まる前年の1951(昭和 26)年11月には中野駅南口広場が完成します。戦後の混乱期を経て新しくなった駅前に、新しい鉄筋コンクリート造の住まいが建ち、戦後に生きる人たちの新しい生活がひと足先に始まったのでした。

延面積 | 9,378.2㎡ |
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構造種別 | 1から7号棟 RC造4階建 |
住戸数 | 全戸数 248戸 1号棟 24戸| 2から5号棟 40戸×4棟=160戸| 6・7号棟 32戸×2棟=64戸 |
住戸タイプ | 2K(型式C) |
住戸専有面積 | 29.94㎡ |
建設年度 | 昭和26・27年度 |
360°パノラマ画像
VRスコープがあれば、よりリアルにご覧いただけます。
<2019年5月撮影>
【 外観 】
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【 居室内 】
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建設当時の図面等
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CONTENTS
戦後復興期の憧れのすまい
中野住宅の入居が始まるのは戦後7年目のこと。住宅難はまだまだ解消されず、木造の都営住宅でも抽選倍率100倍という時代。鉄筋コンクリート造4階建て、6畳、4畳半の2間に台所とトイレ、バルコニーが付き、階段室の入り口にはタイルがあしらわれた中野住宅は、住宅を求めている人にとって憧れの…

中野住宅全景(2019年3月)
昭和の風景-団地の子供たち-
入居者は 30 代の夫婦に子供2人の家族が大半で、子供が遊びまわっていました。当時からお住いの方のお話によると、部屋で子どもが騒ぐので下の階に住むおばあさんに謝りに行くと、「子どもは元気がないと困る。気にしないでいいですよ」といつも言ってくれるなどおおらかな雰囲気があったそうです。また子供たち…

(中野住宅居住者様提供)
中野住宅の暮らし
中野住宅では運動会や交通安全教室外にも廃品回収や、防災訓練、餅つきやお花見などさまざまなイベントが住民たちの手で行われてきました。またゴミの出し方が良いと区から表彰されるなど、みんなで心地よく暮らしていく工夫をしてきたそうです。子供たちが成長して、お年寄りが増える中、イベントは準備に手を…

(中野住宅居住者様提供)
コーシャハイム中野フロント誕生
中野住宅は 67 年の歴史に幕を下ろし、コーシャハイム中野フロントに生まれ変わりました。コーシャハイム中野フロントは、鉄筋コンクリート造地上14階、地下1階、203戸。中野住宅の南側、日当たりのよい場所にこの2019年5月に完成しました。

中野駅前プロジェクト
現在、中野駅南口では中野二丁目地区市街地再開発事業と中野二丁目土地区画整理事業が一体的にすすめられており、中野住宅のあった敷地は再開発ビルが建ち、公園や道路、駅前広場が整備されます。中野住宅の建て替えをとおして、東京都住宅供給公社は新しい中野のまちづくりに貢献しています。

お問合せ先
JKK東京<東京都住宅供給公社>
住宅総合企画部 事業開発課
TEL:03-3409-2261(代)