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| 2021年度 グッドデザイン賞 受賞|
続きのある暮らし コーシャハイム経堂フォレスト

コーシャハイム経堂フォレストは、昭和27 年に建設した「経堂第一住宅」の建替事業として、平成28 年度に事業着手し、令和2年10 月に竣工、令和3年3月から管理を開始しています。 この度、2021年度グッドデザイン賞を受賞しました。
当住宅の再生プロジェクトの概要をご紹介します。

グッドデザイン賞とは

審査員のコメント

続きのある暮らし

経堂のまちなかにある小さな団地が生まれ変わりました

コーシャハイム経堂フォレストは、世田谷区経堂のまちなかにある、昭和27年に建設した3棟96戸の小さな団地の建替えプロジェクトです。
住宅の隣には、神社と公園の大樹群が形成する小さな森のような空間が広がります。豊かな緑が享受できる地域の貴重な魅力を大切にしながら、賃貸住宅でも暮らしをもっと自由に楽しんでもらいたいという想いを込めて、約60年にわたり人々の暮らしに寄りそってきた団地を、多様で豊かな暮らしが森の枝木のように広がる住まいへ生まれ変わらせました。

賃貸でも、暮らしはもっと自由になる

これからの東京の賃貸住宅のスタンダードを目指して

再生の背景

戦後まもない昭和27年に建設した「経堂第一住宅」。これまで多くの人の暮らしに寄り添ってきましたが、画一的で小さな間取り、室内の段差やエレベーター未設置など、多様な暮らし方が広がる現代においては、そのニーズに応えることが難しくなっていました。
また、隣接する天祖神社は、約500年の歴史があり、連続して立地する児童遊園とともに小さな森を形成し、地域で親しまれる場所ですが、当団地はフェンスや生垣で区切られ、地域に対し、閉じられた空間となっていました。

1948(昭和23)年
団地の建設前。周囲の民家はまだまばらな状況です。

1957(昭和32)年
団地建設後のまもない頃。北側の烏山川緑道は未整備です。

2017(平成29)年
除却工事直前です。築60年超の団地が生まれ変わります。

画像出典:国土地理院

再生の方針

私たちは、暮らしにおける自由とは、変わらない安心の少し先に、選び楽しめる生活があることだと考えます。
賃貸でも暮らしの可能性が広がる、地域も含めて暮らしを住まいから支えるという視点を大切に、団地の建替えに取り組みました。 それぞれの個のスペースにおいて、ほどよい生活を楽しみながら、一歩外に出ると、緑に包まれ少しゆとりのある気持ちになれる住まい。 できるだけたくさんの人が、住み心地良く、安心して住み続けられるようアップデートしました。

建替えによりコーシャハイム経堂フォレストに再生しました

再生後の住宅の姿

変わる暮らしを支えるシカケ

ライフステージやライフスタイルの変化によって、住まいに求められる役割は変わります。建替えにより、住まいのあり方を大きく変えることができました。多様な働き方や価値観に応える住まい、多様な間取りで、新たな機能で、森の枝木のようにのびやかに広かる人々の暮らしを受け入れます。

1

自宅を軸に、働く場所を選べるシカケ

2

心地よさを選べる、禁煙のシカケ

3

この部屋で暮らしてみたい間取りのシカケ

4

バリアフリーの先にある選べる操作のシカケ

変わらない暮らしを大切にするシクミ

地域で人々の暮らしに寄り添ってきた旧団地の面影を一部に残しながら、周辺の豊かな緑との調和と、ゆるやかなつながりを大切にする空間づくりを行っています。また、気持ちのゆとりや安心、暮らしの持続性を実感できる住まいをめざし、森の木々を支える根のように、暮らしを大切にするシクミをめぐらせています。

1

続くつながりを大切にするシクミ

2

変わらない地球のための草の根のシクミ

3

災害時もいつもの暮らしが続くシクミ

4

どんな人でも入居しやすく暮らしやすいシクミ

変わる暮らしを支えるシカケ

変わらない暮らしを大切にするシクミ

配置兼平面図

敷地の開き方 
~地域に溶け込むまちなか空間の形成~

配棟計画では、住棟と隣接する神社・公園の間に空間的なゆとりを設け、長年にわたって育まれてきた地域を特徴づける神社と公園の豊かな緑を地域に大きく開くとともに、都市計画道路整備予定地を活用して緑の連続性を創出する広場状空地等を整備し、地域に開放することで、地元の魅力を際立たせる街並みづくりに努めました。

経堂第一住宅

コーシャハイム経堂フォレスト

2号棟の配棟により空間的なゆとりが生まれ、従前は住棟で遮られていた神社や公園の大樹群が現れました。広場横には、EVカーシェアや時間貸駐車場を設置し、地域の利便性も高めています。

広場状空地を周辺道路とフラットにつながる空間として整備し、歩道が広がったようなまちなか空間を形成しています。
まちを歩く人は、豊かな緑を感じながら、この空間を快適に通り抜けることができます。

変わる暮らしを支えるシカケ

ライフステージやライフスタイルの変化によって、住まいに求められる役割は変わります。社会状況の変化により、急速に変移することもあります。こうした変化を楽しんでもらえるよう、暮らしを支えるシカケをちりばめました。

また、建替えでは、住まいのありかたを大きく変えることができます。多様な間取りで、森の枝木のように、のびやかに広がる人々の暮らしを受け入れます。エレベーターもノンタッチ操作という新たな機能で、これからの暮らしに応えます。

1

自宅を軸に、働く場所を選べるシカケ

2

心地よさを選べる、禁煙のシカケ

3

この部屋で暮らしてみたい間取りのシカケ

4

バリアフリーの先にある選べる操作のシカケ

1 自宅を軸に働く場所を選べるシカケ

急速に広がったテレワーク。「イエのどこで仕事しようか」と思案するときも。
オンオフをうまく切り替えられる共用部のワークスペース。資料が多いとき、家事と並行したいときは、間取りをうまく活用した自宅のスモール書斎で。
専有部・共用部ともに光回線のWi-Fiも配備し、自在な働き方を支えます。

2 心地よさを選べる禁煙のシカケ

テレワークとともに、自宅で過ごす時間が長くなった今。住まう人それぞれにとっての快適を選べるよう、2棟のうち1棟を「禁煙住宅」としました。
健康意識や暮らしに合わせた居心地の良い空間・安心を提供します。

3 この部屋で暮らしてみたい、間取りのシカケ

新築ならではの間取りの楽しさをちりばめました。旧団地は、食寝分離を軸とした和室の2Kのみでした。建替え後は、住まう人の多様な暮らしに呼応する1R~3LDK(34~63㎡)の間取りを揃えました。

4 バリアフリーの先にある選べる操作のシカケ

エレベーターはICチップ入の玄関キーをかざすだけで、居住フロアとエントランスフロアを自動運行します。
新たな非接触というニーズに加えて、荷物が重いときなどボタン操作が大変といった潜在する気持ちにも応える、基本性能の先の使い勝手を向上させました。

変わらない暮らしを大切にするシクミ

地域で人々の暮らしに寄り添ってきた旧団地の面影を一部に残しながら、周辺の豊かな緑との調和と、ゆるやかなつながりを大切にする空間づくりを積極的に行っています。
また、たくさんの人が気持ちのゆとりや安心、暮らしの持続性を実感できる住まいをめざし、森の木々を支える根のように、暮らしを大切にするシクミをめぐらせています。

1

続くつながりを大切にするシクミ

2

変わらない地球のための草の根のシクミ

3

災害時もいつもの暮らしが続くシクミ

4

どんな人でも入居しやすく暮らしやすいシクミ

1 続くつながりを大切にするシクミ

地域のよさを際立たせる街並み形成
新たに整備した広場(空地)は、隣接公園への緑のネットワークを形成し、地域に開くゆとりの空間になりました。これから住宅とともに育ち、様々な姿を見せてくれる木々を、十分に植栽しました。
建物の外観には、旧団地の面影をしのばせるよう、一部にコンクリート打放しを採用しました。落ち着いた灰色は、豊かな緑を引き立てます。 また、敷地中央に都計道予定地がまたがりますが、将来の整備を見据えて、2つの住棟のエントランスを向かい合うよう配置し、将来もお互いにつながりを感じられるようにしています。


あちこちの小さな居場所
気軽に利用できるコミュニティサロンやギャラリーウォールを配したエントランス空間は、建替え後も続く、これから新たに生まれる人と人のつながりを後押しします。また、広場には、ベンチ(かまどベンチを含む)を設け、平時は小さな憩いの場として機能します。


2 変わらない地球のための草の根のシクミ

EV充電設備とEVカーシェアを導入しています。EVカーシェアに広場横に設置し、地域の方も利用できます。
環境配慮行動のきっかけをつくりやすい、暮らしに取り入れやすい環境づくりに取り組んでいます。


3 災害時もいつもの暮らしが続くシクミ

発災時に、住まう人や地域の人ができるだけいつもの生活が続けられるよう、防災設備(かまどベンチ・防災井戸・マンホールトイレ)を整備しました。かまどベンチは、平時には憩いの場として利用できるよう、住棟間の広場に設置しました。
コミュニティサロンは1号棟にありますが、入口を敷地外側に面して設けており、平時とともに、一時避難利用なども想定し2号棟など住棟の外からもアクセスしやすい設計としています。


4 どんな人でも入居しやすく暮らしやすいシクミ

住宅の募集では、子育て世帯や高齢者、障がい者、親族との近居予定者など、住宅確保要配慮者や支え合いが必要な世帯が入居しやすいよう、一般の方に優先・優遇する制度を設けています。このほか、身障者用専用駐車場の設置や、共用部のバリアフリー化など、インクルーシブな環境づくりを進めました。

グッドデザイン賞とは

1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルマークである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。

外部リンク GOOD DESIGN AWARD ( https://www.g-mark.org/ )

(グッドデザイン賞審査委員による評価コメント)
敷地の開き方がたいへん素晴らしい計画である。 敷地を開く提案は今年度も複数見られたが、この計画は、まるで歩道が広がったように公共性の高い場を街に提供している。 まちを歩く人は、ここが集合住宅の一部であることに気づくことなく、通り抜けるであろうことが容易に想像できる。これこそが本当の意味での公共性だ。JKK という公共性の高い事業主が、こうした街の作り方を試みていることが素晴らしい。
外部リンク GOOD DESIGN AWARD 受賞ページ


住宅概要

住宅名称 コーシャハイム経堂フォレスト
(旧団地:経堂第一住宅、3棟96戸)
所在地 世田谷区経堂4丁目33ほか
住宅規模等 RC造、地上6階建、2棟98戸
(1号棟68戸、2号棟30戸)
竣工年月 令和2年10月
間取り等 1R~3LDK(34.3㎡~63.2㎡)
アクセス 小田急小田原線「経堂」駅徒歩12分、「千歳船橋」駅徒歩7分

コーシャハイム経堂フォレスト 特設ページ

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