東京電機大学 住宅供給公社 コラボレーション

ー 設計者インタビュー ー
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『湾曲壁の隠れ家』

川田啓介

東京電機大学 建築学専攻大学院
両親の自分達でなんでもDIY してしまう本格的な日曜大工の光景を見て育ち、モノづくりに強い関心をもちました。
また幼少期より絵を書くことが好きであったこともあり、それを活かせる職業として建築家を知り本格的に目指すようになりました。

-これまでの団地のイメージはどのようなものでしたか︖

友人が団地に住んでいて、遊びに行ったことや漫画などでも見たこともあったので、住んだことはないですが、なじみはありました。
あと、小さいころの印象ですが、住んでいる子供同士が団地の公園で遊んでいたりして、住んでいる人の仲が良い印象がありました。

-今回、リノベーションする興野町住宅に初めて行った時の印象はいかがでしたか︖

初めて行った時は、団地内を歩いていてもご高齢の方が多く、小さい頃に体験した風景とは少し違う印象でした。
ただ、住民の方から自然と挨拶をされ、植栽などの話を聞いたりもしました。
私も賃貸に住んでいますが、挨拶をする機会が減っている中、挨拶の文化が残っているのが良いなと感じました。

-リノベーションする住戸の印象はいかがでしたか︖

私が担当したE 型住戸は、間仕切りが多く、ドアや押し入れもあり、想像していた通りの団地の間取りでした。
ただ、対象の住戸は4階だったため、眺望や日当たりが良く、公園も近くで、窓から緑が見えたりして、住環境はすごく良い印象を受けました。
また、周囲に高い建物もなくて、窓をあけるときれいな空気が住戸内をすーっと通るのが分かり、気持ちいい風を感じることができました。


元の間取

-今回の「湾曲壁の隠れ家」のプランの狙いやこだわりはどのような点ですか︖

今回のプランの目的は、室内と周辺環境を緩やかにつなげることです。
周辺環境の良さや風の通り、景色は良いと思っていましたが、現状は、間仕切りが多く、室内に周辺環境の良さを取り込むことが出来ていないと感じていました。
そのため、周辺環境の良さをいかに室内に取り込むかを第一に考えました。
具体的なアイデアとしては、既存の区切られている空間から間仕切りを外し、空間を一つにしました。
その空間に湾曲壁を取り入れることで、曲面が緩やかに視線を奥へ誘導し、外の景色へ繋がるように工夫しました。
また、窓を開けると風がすごく気持ち良かったので、外のきれいな空気がしっかりと室内を通り抜けられるようにしました。

-今回のプランを初めて先生に見せた時の反応はいかがでしたか︖

もしかしたら、実際にできるかどうか半信半疑だったかもしれないですが、このプランで進められるよう後押しをしてくれました。
先生からの具体的なアドバイスがあったので、細かいおさまり等を検討することができて、ここまで来ることができました。
今回のプランは、自分の中でも、かなりのチャレンジだったので、現地で湾曲壁を見た時に先生から「これならいける」というポジティブな意見を言っていただき、本当にうれしかったです。

-完成した住戸には、どんな人に住んでほしいですか︖

DIY などが好きな人に使ってほしいと思います。正直、収納が少ないので、ちょっとした棚を作ったりして、この部屋を住みこなしてほしいです。今だと賃貸でも可能なDIY もあるので、ぜひチャレンジしてほしいです。
この部屋の可能性を住む方に広げてほしいと思っています。YouTuber とかも良いかもしれませんね。

-最後に、今回の取組みで一番印象的なことは何ですか︖

現地の大工さんに初めて話を聞いた際に、自身のプラン内容やプランの意図が現地の大工さんにまで伝わっていました。自分の設計を形にするため、プラン内容などを理解して、関係者全員で現場を作っていることに感動しました。大学の授業では、体験できない経験でした。
また、今回公社の担当者の方は、普通の案件の何倍も苦労されていると思うので、本当に感謝しています。

ー コンセプト ー
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『湾曲壁の隠れ家』

コンセプト

『伸びちぢみする家』

コンセプト

『趣味人たちの空間』

コンセプト

ー 設計者インタビュー ー
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ー 完成物件紹介 ー
Completed property

『湾曲壁の隠れ家』

完成物件

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