向原住宅再生プロジェクトとは

ツナガリノマチ向原の誕生

昭和30年代に建設した向原住宅は、利便性の高い立地にありながら、緑に恵まれた住環境が魅力です。一方、建物の老朽化や居住者の高齢化等の課題解消も急務でした。そこで、魅力の継承とともに、安全で快適な住宅の整備と地域の福祉拠点形成を目指し、“ツナガリノマチ向原”をコンセプトに多様な世帯が生き生きと暮らせるまち「コーシャハイム向原」へと生まれ変わりました。

  • 画像:向原住宅の航空写真

    向原住宅の航空写真 出典:国土地理院

  • 画像:向原住宅(昭和39年頃)

    向原住宅(昭和39年頃)
    出典:板橋区公文書館所蔵向原地区写真資料

  • 画像:向原住宅の間取りの例

    向原住宅の間取りの例
    当時の募集パンフレットより

向原住宅再生の背景

東京における住宅不足の解消に向けた「団地」型賃貸住宅の供給

約5.6haの広大な敷地を有する向原住宅は、昭和32~34年に建設した32棟840戸の団地型賃貸住宅でした。
高度経済成長期における住宅不足の時代に建設した向原住宅は、RC造、ダイニングキッチンなど先進的な設備を備え、暮らす人々の活気に満ちた住宅でした。

求められる居住ニーズとの不一致、団地内コミュニティの活力低下への懸念

築50年が経過し、建物の老朽化や設備水準等の相対的な低下、画一的かつ狭小な間取りと、現代の居住ニーズとの乖離が生じていました。
また、建替え前の世帯構成は、高齢者世帯が多く子育て世帯はごくわずかと、世代の偏りが顕著で、住宅内のコミュニティ活力低下も懸念されており、課題を解消する団地再生が急務とされていました。

目指す将来像

現在及び将来にわたって多様な世代の暮らしが息づく、
魅力あふれるツナガリノマチへ

かつて活気のあったまちや暮らしやすい住まいを、高齢者、障害者、子育て世帯など、誰もが安全・安心に暮らし続けられるよう、平成19年(2007年)から建替え事業に着手しました。従前の32棟840戸を8棟1,019戸の大規模賃貸住宅や1棟50戸のサービス付き高齢者向け住宅として再生し、創出用地には高齢者施設や障害者施設を誘致、広域避難場所の整備など、住まいだけでなく、福祉や防災機能を強化するまちづくりに取り組んでいます。

地域のまちづくり計画

向原三丁目の地区計画

平成19 年(2007年)に都市計画法上の「一団地の住宅施設」を廃止して板橋区により定められた「向原三丁目地区地区計画」では、団地の建替えと合わせて周辺住宅地と調和した住環境の整備を図るとともに、居住水準向上や高齢化に適応可能な良好な住宅形成を目標としています。また、地域における共生社会の実現に向けて、福祉施設等の整備を図ること、さらに、避難場所の指定を踏まえて、公園・広場・緑地等の確保や安全で快適な歩行者空間の形成を図ることを目標としています。

向原三丁目地区計画図

向原三丁目地区計画図イメージ

地域地区等
第一種中高層住居専用地域(60%/200%)
準防火地域、第二種高度地区
向原三丁目地区地区計画(40%/160%)