かつての高度経済成長期、住宅不足解消を目的に建設された団地。その多くは経年による建物の老朽化と、居住者の方々の高齢化が進んでいます。小金井市の「小金井本町住宅」もその一つでした。
小金井本町住宅が建設されたのは昭和35年後半。22棟830戸の大規模団地で、当時は「いきなり一つの町が出現した」と言われたほどでした。今般、JKK東京では団地再生事業に伴い、一部の住棟(3棟)の建て替えを進めていくことになりました。
建替えですから、居住者の方々には仮住まいへの移転をお願いしなくてはなりません。「建物が新しくなるのは嬉しいが、仮住まいは避けたい」というのは自然な感情です。そこでJKK東京では計画の概要が決まった段階から住民説明会を行い、丁寧な対応を徹底しました。一方で経済合理性も重要で、時間をかけず、コストも抑えながら進めていくことが求められます。住民本位の姿勢と事業性の追求。その適切なバランスをいかにして図っていくかは、団地再生事業ならではのポイントでした。
さらにJKK東京にとって市部での団地再生事業は初めてのこと。それまで区部での実績はありましたが、行政との調整等も含め、手探り状態での取り組みとなりました。
